2017年10月18日水曜日

【議論】牛乳は体に悪いのか?

【注意! 文体がラフです。不快に思われたら申し訳ございません】
僕は「すっきりCa鉄」(雪印メグミルク)という低脂肪牛乳を愛飲している。母によると、生まれたときから牛乳が大好きで、冷蔵庫の前で牛乳を求めていたそうだ。

かれこれ数十年、牛乳を楽しんでいた僕が、飲まなくなった時期がある。なぜなら

「牛乳が体に悪い」

という噂を真に受けたからだ。もしかするとあなたも、牛乳が体に悪いと思っているのではないだろうか?

①「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」
②「乳糖不耐症のため、牛乳のカルシウムを吸収できない」

などが主要な論点だ。なにやら有名な医者がそう発言したとかで、僕も信じた。しかし、よくよく調べてみると、どうやら違うようだ。

①に関しては、「牛乳の多飲によって骨粗鬆症の予防効果はない」(出典→Milk, Dietary Calcium, and Bone Fracture in Women」D. Feskanich et al American J. Public Health,Vol. 87, 991~997 (1997))という文献があるものの、「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」とまでは言い切れない。

また②に関しては、もっと簡単。乳糖不耐症とは、「乳糖を分解できないため下痢や腹痛を起こす」ということだ。しかし、乳糖を分解できないことと、「カルシウムを分解できない」ことは別問題。事実、カルシウムは吸収されている。

じゃあ、「やっぱり牛乳は体にいいんじゃないの?」という点だが、ところがどっこい。そうすんなりと問屋は卸さない。

「Michaëlsson K et al. Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies. BMJ. 2014; 349: g6015」という論文が「牛乳が体に悪い」という議論を再燃させることになる。

この論文の結論は、「男女ともに、牛乳を多飲する人は全死亡・心血管疾患死亡リスクが有意に増加する。牛乳の摂取量は女性の全骨折・大腿骨近位部骨折リスク増加とも有意に関連していたが、男性では関連がなかった」というものだ(参考→http://www.epi-c.jp/entry/lecture_006.html)。

しかし、これも素直に真に受けるわけにはいかない。スウェーデンの状況(人の生活スタイル、牛乳の質)がそのまま日本に当てはまるわけではない。事実、日本では逆の結果「牛乳を月に1~2回以上飲む男性では全死亡リスクが低下」が出ている(→Wang C et al. Milk drinking and mortality: findings from the Japan collaborative cohort study. J Epidemiol. 2015; 25: 66-73)。

ただ、この日本の研究でも、「牛乳を月に1~2回以上飲む男性」という条件付き。

さぁ困った。ここまで来ると、僕にはもうお手上げだ。

正直、牛乳が体に良いか悪いかという点について、僕は判断ができない。学者ですら見解が統一していないのだ。もはや素人の領域を超えている。
少なくとも言えることは、多くの食品についても成り立つ当然の事実だけだ。

過剰摂取はダメ。

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